玄米はスーパーフード
新米のシーズン到来。栗ご飯に松茸ご飯に…、いえいえ具を入れなくてもツヤツヤふっくら炊きたての新米のご飯はそれだけでも十分美味しい!炊き上がりのご飯に卵と醤油で玉子ご飯もよし、漬物と食べても良し、納豆とも良し、酸っぱい梅干しと食べるのは最高!こう書いているとホカホカ湯気が立っている白いご飯を連想した人が多いかもしれませんね。私たちが普段食べている白いご飯は、玄米を精米して糠(ぬか)や胚芽を取り除いた白米です。江戸時代に白米食が広まったそうですが、ぬか層に含まれている食物繊維やビタミン、ミネラルなどが見直されて、玄米を好んで食べる人が増えています。私もその一人です。わざわざ玄米の栄養価の高い部分を取り除いてから食べるなんてもったいないですよ!
目次
玄米とは?
まずは、玄米を知っていますか?
近頃は食にこだわりを持つ人が増え玄米も買い求めやすくなりました。20年くらい前は、都心のスーパーで扱っていてもせいぜい2kg入り。しかも1種類。仕方なくお米屋さんを探して買い求めましたが、玄米は常時置いておらず在庫があればラッキーでした。
私の昔話はさておき、玄米は、もみすり(もみがらを取り除くこと)をしただけの米です。すなわち精米していない米のことです。
玄米の表面は、白米と比べると茶色です。これは下の図でいうぬか層が皮のように覆っているからです。このぬか層はとても栄養価があるのですが、白米に比べると食感が固い、ボソボソするなど食べにくいと感じる人もいます。
皮といえば、リンゴは皮をむいて食べるのが一般的ですが、リンゴの皮には強い抗酸化作用のあるポリフェノールがたくさん含まれています。また、リンゴの表皮のベタベタ、あれはツヤ出しのワックスではなく、リノール酸やオレイン酸です。私たちは固いからとか食べやすいから美味しいからと栄養がある皮をむいて捨ててしまっています。
玄米も同じです。糠や胚芽のない白米のほうが、柔らかい、食べやすい、美味しいからと栄養価の高い部分をわざわざ取り除いて食べている人が多いのです。実にもったいない。
玄米・白米・胚芽米・発芽玄米はどこが違う?
まず玄米の断面を見てみましょう。
上の図の左側のように胚乳をぬか層(種皮)が覆っていて、それをもみ殻が覆っています。もみすりをしただけで、ぬか層に覆われている米の状態が玄米です。
胚芽精米は、胚芽だけを残してぬか層だけ取り除いたもの。よく言われる胚芽米です(中央図)
白米は、玄米の表面にあるぬか層や胚芽を取り除いたもの(右側)
最近よく見かける発芽玄米は、玄米を水に浸けて少し発芽させたもの。発芽玄米に含まれる「ギャバ」)は玄米の2、3倍あり、白米の約10倍にもなるそうです。
玄米がスーパーフードの理由
1.栄養成分が豊富しかもバランスがいい
玄米の栄養成分が豊富だのバランスがいいだのと言っても分かりにくいので、ご飯としての玄米・白米・胚芽米・発芽玄米の栄養成分を表にし比較しました。
玄米のエネルギーは白米などとあまり変わらないのにミネラルやビタミンが、とても豊富です。
だから玄米がスーパーフードと言われるのです。
表を見ただけでは私自身もなんだか少し分かりにくいので、玄米ご飯150gに含まれている栄養成分が他の食べ物ではどのくらいの量になるかいくつかピックアップして調べてみました。
カリウム 142.5mg
体内の余分な水分を排出 |
生のジャガイモ40g約1/4個 |
(中1個200g) |
マグネシウム 73.5mg
骨の構成の一部 |
木綿豆腐100g約1/3丁 | (1丁400g) |
鉄 0.9mg
赤血球のヘモグロビンの材料 |
小松菜32g 約1株弱 | (1株40g) |
ビタミンB1 0.24mg
糖質の代謝 |
豚肩ロース赤生肉33g 約1/4切れ | (1切れ80g) |
ビタミンE 1mg
活性酸素から守る |
バター50g | (大さじ12g) |
食物繊維 2.1g
腸内環境を整える |
ブロッコリー41g 約1/4株 | (1株200g) |
2.主食だけど補助食品にもなりうる
食事は副菜で栄養バランスを調整することが多いですが、主食の白米を玄米にすることで、食物繊維やビタミン、ミネラルなども白米より摂ることができ栄養バランスも整えやすくなります。
主菜のお肉や魚などは食べても副菜の野菜やキノコ類、海藻類などは気をつけていないと不足になりがちです。
そういう時にこそ副菜で不足している栄養素を玄米で補うことができる。ちょっとした補助食品です。これは私が玄米食をしている理由でもあります。
玄米が苦手な方や食べにくい方は、炒飯や炊き込みご飯、カレーライスで食べると玄米が食べやすくなります。それでもと思う方は、白米を炊く時に発芽玄米などを混ぜるところからチャレンジするといいですよ。
3.体にも、美容にも、ダイエットにも役立つ
玄米は食物繊維が豊富なため、白米に比べ少し固いのでよく噛む必要があります。でも、これが重要なのです!
よく噛むと唾液がたくさん出ます。唾液の中には消化酵素はもちろん、抗酸化作用のある酵素・老化防止のホルモン・抗菌作用のある物質が含まれているので、血流やリンパの流れをよくしますし、害のある物質の排出をしやすくなります。生活習慣病予防になるし、内臓の働きも良くなるので体質改善にも役立ちます。
血流やリンパの流れが良くなれば代謝良くなるので、お肌のサイクルがスムーズになる美肌、そして噛むことで顔の歪みが整えられる、顔が歪んでいると体の左右のバランスも崩れます。
食事の時間が長くなると消化器官から吸収されるブドウ糖の量が上がり血糖値が高くなります。すると満腹中枢が満たされて満腹感になるのです。早食いは血糖値が上がりにくいので過食になってしまいます。玄米はよく噛むからダイエットも役立つのです。もちろん食物繊維が豊富なので便秘解消にも役立ちます。
まとめ
玄米がスーパーフードといわれるのは、ぬか層に含まれている豊富な栄養成分とそのバランス。
体にいいのはもちろん、主食でありながら副菜の補助にもなる。体にいい、美容にいい、ダイエットにもいい。
参考図書
ポプラ社「ポプラディア情報館『米』」監修石谷孝佑
新星出版社「栄養素図鑑」監修牧野直子
草思社「噛めば体が強くなる」著者西岡一
実教出版「生活学Navi」
ganko
人生100年と言われている時代、豊かで楽しみのある生活をするためには健康が大事!と考えています。健康寿命を延ばすためにどうしたらいいか?運動や食事のこと、親を介護した経験から認知症予防にも役立つ情報、そしてちょっと空手に関する話など載せていきたいと思っています。